店販で大切なのは売れたという結果でなく、お客様一人一人にホームケアの大切さや肌ケア方法を知っていただくこと。
関東地方の最高気温が27~28℃まで上がり、お客様とも「今日も日差しがすごいですね!」とご挨拶する日が増えてきています。こんな時に思い出すのが気象庁でも研究しているアイスクリーム販売と気温の関係で、ウェザーマーチャンダイジングと呼ばれているものです。
例えば、アイスクリームの販売数が急激に伸び始めるのは気温が25度を超える時というように、販売数が激増する基準温度というものがあります。アイスクリームは気温が25℃を超えると売り上げが伸び、気温32度を超えると、売れ筋はアイスクリームからかき氷へとシフトします。反対に、おでんが一番売れるのは、残暑の終わりに気温が急激に下がり最低気温が18℃を下回ることのある9月から10月。さらに、最低気温が15℃以下になるとお鍋の具材が売上を伸ばし始めると言われています。
こう考えると、商品はお店の都合で売れるのではなく、お客様が必要としそうなものをお勧めするのが大切だということが見えてきます。つまり、「今月はこれをオススメしよう!」というのではなく「日差しが強くなりそうだから日焼け止めの大切さをお伝えしよう!」というように、お客様のお肌を28日に一度のお顔そり集中ケアだけでなく、残りの27日をどう過ごしていただくかのアドバイスをした結果として店販が売れるということです。
そんなお話をしても「店販って苦手なんです…」という女性理容師さんも多いですよね。なぜ苦手なのか分かりますか?人は失敗することを嫌う性質があるので、「商品をお勧めして断られたら嫌だな → 断られるくらいなら商品を勧めない方がよい」という気持ちになりやすいのです。
なので、商品を売ろう!という気持ちを無くし、お客様の美しい肌をいつまでも保てるお手伝いとして、お肌に良いプロ専用化粧品を教えてあげよう!と思ってください。それでは実践編として、日焼け止めを例に一緒に学んでいきましょう。
日焼け止めでのアプローチ例
先ほどのアイスクリームと同じように、日焼け止めも気温や日差しにで売れ筋が変わります。1年中売れているのはサラッとしての使いやすい「リアルUVウォータリープロテクト」だけど、最高気温が25℃を超える夏日になってご注文が急速に増えるがウォータープルーフタイプの「インヴィータUVセラム」。今回の記事では、お顔そりのお客様へのアプローチをご紹介していきます。
お顔そりを終えるころ、またはアフターカウンセリングに入ったところで、お顔そり後のお肌お手入れ方法をお伝えしますが、お顔そりしたばかりの肌は、不要な老化角質を取り除いて紫外線を浴びやすくなっているので、日焼け止めの大切さを伝えます。この時に役立つのがお客様の目に付くところに貼ってあるPOP。
最初のころは商品説明をしようとすればするほど焦ってしまって言葉に詰まりやすくなるので、こんな時はPOPに書いてある文章をそのまま言葉にします。「こちらがリピート率No,1の日焼け止めです。軽く抑えるように塗ってもらうと毛穴が目立ちにくくなったり、サラッと馴染んで白浮きしないし、そのまま化粧下地にもなるんです。」という感じ。あと、補足として曇りの日でも明るい室内でも紫外線は浴びているので、なるべく普段から使ってくださいね!とお声掛けしておきます。
また、最高気温が25℃を超えるような日だったら、ウォータープルーフの日焼け止めPOPも用意しておきたいですね!
こちらもPOPを見ながらで構わないので「こちらはウォータープルーフタイプなので、汗をかいたり、日中の塗り直しが出来ない方にもおすすめです。紫外線吸収剤以外の85%が美容液成分でなので、化粧水・美容栄・乳液を含んだ化粧下地として使えますよ!白浮きせず、ベタつかずしっとりモチモチなのに、お肌はサラサラすべすべになります。ウォータープルーフタイプなのに、弱酸性ハンドソープで簡単に落とせますよ!」みたいな伝え方です。慣れてきたら「お肌負担が少ないので、女性はもちろん男性やお子さんにも安心してお使いいただけますよ♪」とフォローを入れていただくのもおススメです(笑)
いずれにしても、このお客様は買うかも知れないから商品を勧めてみよう!ではなく、お客様が美しいお肌をいつまでも保つために必要なことだから知っていただこう!という気持ちで、全員のお客様にお話ししてください。また、その際には環境省が発行している「紫外線環境保健マニュアル2020」なども手元資料としてダウンロードしておくのもおススメです。下記の表紙をクリックするとpdfファイルが開くので、良かったら参考にしてください。
それではよろしくお願いします。