理容の魂が宿る一振り。本間義和氏監修「ベークライト リアルコーム」誕生!

今なお息づく“理容の魂”
理容師として半世紀を越える年月を歩み続け、全国の理容師から深い尊敬を集めてきた本間義和さん。その手から生み出されるブロースカットは、ミリ以下の精度と美しさを追求した、まさに職人技の結晶でした。生涯をかけて理容道具の改良にも取り組んできた本間さんが、生前最後まで構想を温めていたのが「ベークライトコーム」。
素材へのこだわり、手に伝わるしなりや重み、そして理容師としての誇り。そのすべてが込められた、まさに“技術の伝承”と呼ぶべき逸品が、ついに形となりました。

本間義和という理容師
本間義和さんは、神奈川県藤沢市を拠点に半世紀を超えて理容業に携わり、理容師人生を通じて「精度と美しさを両立させる技術」の追求を続けてきました。ブロースカットのスペシャリストとして全国大会に幾度も出場。技術者としての研鑽を重ねる一方で、日理(ニチリ)主催の技術講習会や競技会で講師・審査員として若手理容師の育成にも尽力しました。また、独自にハサミの構造に着目し、東光舎理容鋏FCXシリーズの開発にも関わるなど、“道具の進化”にも貢献した存在。技術者であり、教育者であり、そして職人である本間義和さんは、まさに現代理容の礎を築いた一人と言えるでしょう。

技術と想いが形になった「ベークライト リアルコーム」
本間さんが晩年まで温め続けたアイデア、それが「コーム」という日々手にする道具に“理容の心”を込めることでした。なかでも、1950年代~1960年代に理容界で多く使われていた“ベークライト素材”の持つ質感・しなり・耐熱性に着目。既製のコームにはない、独特の“しなるけれどブレない”手応えと、髪をなでるように通る滑らかさ。それは、プラスチックでは決して再現できない、熟練理容師の“感覚に寄り添う道具”です。

開発においては、コームの歯の厚みや間隔、先端の角度に至るまで何度も試作・微調整が繰り返されました。まさに、長年の経験と技術の蓄積が込められた一本です。
本物を知る理容師にこそ使ってほしい……。『道具とは、技術者の手を補い、技術を引き出すものである』。これは、本間さんが生前、たびたび口にされていた言葉です。このコームは、ブロースカットなど、“繊細な手さばき”を求められる場面でこそ真価を発揮します。
使った瞬間にわかる、髪への吸いつくようなタッチ。コーム全体に伝わる絶妙なしなりと重みは、まるで手の延長のように自然で、安定した操作性を実現してくれます。プロとしての矜持を持ち続ける理容師にとって、このベークライトコームは単なる消耗品ではなく、“信頼できる相棒”となるはずです。
そんな本間義和さんから、ニチリが生前に依頼を受けたのが、ご自身が数十年来愛用してきたベークライトコームを、まったく同じ形で今の時代に再現することでした。その形状は非常に特殊で、厚みは限界まで薄く、歯と歯の間隔は標準幅より広く、ブロースカットや今注目されているフェードカットでパフォーマンスを最大限に引き出す、中荒カット用の逸品です。
今回、特注で制作された「ベークライト リアルコーム」の基本形状は《鬼片荒》。全長168mm、親歯の高さは32mm、歯と歯の間隔は芯々で測って4mm。コーム背中側の厚みは最厚部分で3mm、最先端で1.8mmと超極薄。櫛歯1本1本も非常に薄く、歯の先端での幅・厚みは精密ノギスがないと測れないほどの超極細仕上げ。なお、ベークライトの性質上、一本一本の色味に違いがありますがご了承ください。


このことからも、ブロースカットやフェードカットなど、正確な面を作っていくお仕事にお役立ていただける逸品となっています。実は、当初はベークライトコームを2,000本製作する予定でしたが、仕上げ精度に非常に厳しい品質基準を設けたため、検査を通過して販売に至ったのは、わずか800本のみとなっています。
こちらのベークライト リアルコームですが、サロン価格は6,000円(税別)になります。お申し込みは弊社担当営業までお声がけいただくか、FacebookメッセージまたはLINE公式アカウントのトークから「ベークライト リアルコームの件で」とお気軽にお問い合わせください。なお、数量限定生産のため完売の節はご容赦ください。
技術にこだわるあなたへ、この一本を。
ブロースも、フェードも、ただ“整える”だけでは終わらない。その一線を越えるために、本間義和さんは道具のひとつひとつに、理容師としての魂を注いできました。今回のベークライト リアルコームは、単なる再現ではありません。本間さんが「一生をかけて磨いた感覚」がそのまま息づいています。
カットに集中できる道具。触れた瞬間に“違い”がわかる道具。そして、理容師の手元にずっと残る、一生ものの価値をもった道具。このコームを手に取ったその瞬間、本間さんが伝えたかった「理容の本質」が、あなたの手に、感覚に、確かに宿るはずです。現在、若干数ではありますがご案内可能です。本物の道具を選ぶ理容師の皆さまからのお問い合わせを、心よりお待ちしております。